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z-bufferその奥は深いのか。
2007.08.31 Friday
何を売りたい?
マイケル・ベイ「トランスフォーマー」
子供と一緒に行きゃ良いんでしょうが、ウチのは興味ないようなので一人で出かけました。 おもちゃを売るための映画(それこそ「コンテンツ」という言い方が相応しい)なのでしょうが、これほど取ってつけたようなストーリィをよく考えられたもの。 バンブルビー「当初」の偽装とか、メガトロン側が偽装テーマに選ぶ物とか、俺の感覚からするとカッコよくて素敵なものが、片っ端から否定されていきます。 悪役の方をカッコ良くするというセオリーからもなんとなく外れているような。 メガトロンの偽装テーマ=渋いにも程がある微妙かつマニアックな米軍の兵器セレクト。 これも、コンボイ側のダサダサなアメ車オンパレードと同様にマーケティング的なものなのでしょうか? いまどきの、優れた映画やアニメーションに触れている子供たちが、このIQの低いストーリィに耐えられるのでしょうか? あるいは、俺のような大人のように、純粋に「動画」としてストーリィをバカにしながら見るのでしょうか? 1800円も払って考え込んでしまいました。 2007.08.29 Wednesday
おまえら最低
ヒマな日本のメディアは、モンゴルで待ち伏せまでかけたようです。
前にも書きましたが、この力士が仮病かどうかは、どうでもいいことです。 俺は残念ながら仮病ではなく、定期的な通院と日々の投薬、時々手に震えがでるくらいのリチウムを食らってます。 鬱は物理的派手さのない病気ですが、わりと近くに死が口をあけています。 「わりと近く」の距離感が、俺にはリアルで書いていて少し怖い。 たとえば頭を強く打ったら。 その場にいた人は「動くな+救急車」。救急隊員は「脳下科+レントゲン+CTまたはMRI」。診察・処置後、結果的に問題なくても医師は「警戒して安静にせよ+吐き気がおきたらすぐ救急車を呼べ」と、最悪の結果を前提に行動します。 この場合もある意味同じで、鬱病特有の行動をとっていたら、そのように処置するべきです。仮病だと判ったらそこから改めて激怒するなり嘲笑うなりすれば良い事。 生きてないとぶん殴る事もできません。 2007.08.28 Tuesday
差別
田舎もんなので、シアトルに本拠地を持つオサレなコーヒーショップチェーンが苦手です。
あの長たらしいメニューを見ると気後れしてなんでコーヒー飲むのに顔が赤くならねばならんのだと自問自答、やがて自棄になり「ホット一丁!」とか叫びたくなります。 というわけで、日本茶にしろ紅茶にしろ何でも濃いのが好きな俺は、エスプレッソを注文みます。 ところが、その俺の田舎もん根性を見透かしているシアトル者は、しゃらくさいデザインのロゴ入りデミタスカップをわざわざ見せて「こーんなちっこいカップにちびっとしか入ってませんよ田舎もんはもっといっぱい入って甘いやつにしとけばー」とぬかします。 なんでエスプレッソだけがこんな差別を受けねばならんのでしょうか? デミタスを抱え猫背で座ります。美味いこた美味いんですが、くつろぎません。 地方都市の純喫茶の、ポマードの香る初老マスターの淹れるいやに酸味の強いうすいコーヒーが懐かしくなったりします。 都内はこのシアトルのコーヒーショップに席捲されてしまいました。 本屋のそばに激しく寄生しています。本の渉猟のあと、戦果を喫茶で確認するのは無上の楽しみですが、その用途に向いているとは思えない。 セガフレードがいつか天下を取らないかと夢想する日々です。 スターバックスマニアックス (小学館文庫) 小石原 はるか 2007.08.27 Monday
そうは問屋が
というわけで月曜となり娑婆の稼業にもどりました。いちおう髪はあるにもかかわらず頭皮が日焼けして痛いし、顔はマダラだし、腕には時計のあとが残って油断するとマジックで針を描かれそうです。 総合火力演習では、精強なるわれらが陸自の大活躍を堪能したわけですが、じゃあオマエは若かったら志願するか?と言われれば嫌です。 当日我々は、強力にエアコンの効いた快適な自動車に乗り、齢がバレる「The Best of KISS」なぞをガンガンかけ、海老名SAでは朝早すぎてエスプレッソが飲めないと不平を言い、現地でも、クーラーボックスを持ち込み冷たい飲み物を鯨飲し、アイスを食い、クーラーのやつを飲み尽くせば現地で調達し、また終わって帰還した後は、水風呂に入りビールを呑み凍った芋焼酎を呑み、冷たい食い物なら刺身だろうと貪り食い、生魚ほど文明的な食い物は無い!と文化的発見をし、また酒を呑んで爆睡しました。 この状況でも、「内容は素晴らしいがキツいので同じ待遇なら次はパス。」というのが正直な心境です。 陸自の隊員は、当日のように暑かろうが、あるいは寒かろうが雨が降ろうが、一朝事あらば大活躍しなければならないのです。 それには並々ならぬ使命感が必要でしょうし、中卒で入る人もいるわけですから使命感を醸成するカリキュラムも必要です。 防衛省、人材確保に民間からの「レンタル移籍制度」 こんなの徴兵じゃん。 ここにあるスポーツにおける「レンタル」は、あるチームの選手を別チームに貸し出し、その選手に別チームが給料を払う事です。 ここでは、新人教育の肩代わり的な意味ですし、世界有数の金満国家軍といえど、民間企業の給料をそう簡単には払えないと思います。 俺の大好きな浅田次郎作「きんぴか」に、駆け落ちで脱走を図った落ちこぼれ兵士を、警務隊(憲兵)が、ついに見逃してやるシーンがあります。 彼が言います。 「男子が産まれたら必ず自衛隊員にせよ。災害出動で土嚢を積む人手が足らんのだ。」 この話は、自衛隊が人員の確保に困っていた頃ですから、同列に挙げるべきではありませんが、現在は買い手市場の自衛隊も、少子化によって絶対数低下になります。 それはわかります。 しかし、お互いの能力の要求とペイが見合わない制度は作るべきではないと思います。 企業からレンタル。ということは出向です。 2、3年、兵卒の技量だけを身につけた社員をその後どう使うと言うのでしょうか? そして、一朝「事が起きた」時、社員は帰ってこない。 いま、この情報だけで判断すると、こんなプログラムに参画する企業へ入りたくはありません。 土曜日だったので中・高卒から進学する自衛隊生徒が大勢見学していました。 皆、引き締まって日焼けした細身に、迷彩服。 当日同行した古い友人は、「子供じゃんかよ」。 「でも、こいつらが俺たちのために死ぬんだなあ。」 我々おっさんはよほどの事がないと戦力として使ってもらえません。 そのために俺達国民は税金を払ってるんだと俺が言うと、 「おお、いっぱい払ってるよ。これからも払うよ。」 厳しい顔をしました。 「税金」という身も蓋もない言い方をしましたが、これがシビリアン・コントロールに従い、命を賭ける兵士への、「シビリアン」の責任です。 2007.08.26 Sunday
殺戮の距離と収支
小池防衛相を迎えての本番前日、土曜日。 陸上自衛隊の富士総合火力演習に行くことができました。 海空の自衛隊イベントは、いくつか見学しましたが、「着弾」まで見れる実弾射撃は初めてです。 富士の大パノラマが広がる演習場は、天気はいいが殺人的な暑さ。 演習場の説明が始まると、はるか彼方の低山まで標的で、スケール感にびっくりします。 もちろん海空の方がスケールとしてはでかいのですが、自己の位置ときちんと対比できる陸はリアリティがあります。 大口径榴弾砲の射撃。「子供は泣く」と売店のおっちゃんが力説する轟音は確かに凄まじい。 一瞬シュルシュルと空気を切る音、そして無音。 「・・・着弾、3、2、1、いま!」彼方の山の標的に火柱。数秒遅れて遠雷のような爆発音が轟きます。 息を呑む精密さ。これは怖い。 機材はデカイですが、狙撃のような一方的さがあります。 第2波砲撃、戦果を拡大するために、砲弾の仕様が変えられます。砲弾が空中で炸裂するVT信管。 ふたたび「3、2、1.いま!」の精密さで、着弾。 第一波で穴から出され、その上に死の弾片を浴びせるというストーリーでしょうか。 進行する砲撃手順は、まるで測量です。 やっていることは、スタンドオフ土木工事とでも言いたいような、なんというか、カッコイイとか勇ましいとか感情的な印象とは遠く感じました。 今日の報道を見ると、弾薬の費用が3億1千万円。 弾薬で何をするかというと、敵の機材を破壊し、人員を無力化するわけです。 これに、自衛隊員の人件費、設備費、兵器の整備・燃料費・減価償却費が乗っかります。 敵の同様な総費用も比べて、ケネディ時代のマクナマラ国務長官の言う「キル・レシオ」が出ます。ケネディ自身も眉を顰めたという酷薄な算数ですが、そこで弾薬費だけを挙げる意味が判りません。 後半はシナリオにそっての「状況」。ヘリボーンで群れをなして飛来する各種ヘリや、「どいてろ!」とばかりに驀進してたちはだかり、猛烈な斉射を浴びせる90式戦車等、圧倒的な「味方」感。ここでやっと、いちミーハーに戻って楽しみました。 |