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未来を思い出す
 8月9日。フライトSTS-114、スペースシャトル・ディスカバリーが、ミッションを終えて還ってきました。
 俺自身はH2Aの時のように盛り上がらないと思いましたが、ライブ・ストリームを見てしまうとダメですね。ハマり込んでしまいました。

 着陸地点であるNASAケープ・カナベラル基地のあるフロリダは、しつこい雷雲に覆われ、最終的に、カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地に着陸する事になりました。

 ディスカバリーは、地球周回軌道を離れ、大気圏突入の胸苦しい時間が過ぎ、約マッハ25という凄まじいスピードから、姿勢を変える事のみによって減速し、エドワーズ空軍基地の滑走路に、完璧な着陸をして見せました。

 1号機コロンビアの着陸を覚えています。晴天の昼間でした。NASAの青いストライプを纏ったスマートなF-5戦闘機2機のエスコートを受け、白い巨体は完璧な着陸を見せました。見届けて上昇する2機のF-5戦闘機。大きく風を孕んだドラグシュート。グランド・コントロールの第一声は「Beautiful! Beautiful Colombia! Beautiful!」でした。
 大気圏再突入と、極超音速に耐えるためにフォルムはずんぐりとしています。けれど、彼女は本当に美しかった。

 ディスカバリーは、夜明け前の闇の中を還ってきました。暗闇を透し、恐ろしく高性能な赤外線暗視カメラが1ドットの輝点のうちから彼女を捉えます。基地へのアプローチ、安定したバンクで滑走路へ向かい旋回。
 
 アプローチ。その姿は見る見るうちに大きくなり、滑走路の照明が画面に光の尾を敷いたかと思うと、接地したランディングギアから砂塵が巻き起こり、ドラグシュートが発射・展張され、彼女の巨体は滑走路状で減速を始めました。

 完璧な着陸。しかし、モノクロームの映像も相まって、華やかさは無く、ミッション完遂の事実が、なにか荘厳なもののように感じられました。グランド・コントロールは、クルーのひとりひとりの名前を呼んで「おかえり」と言いました。
 宇宙とは、万全の準備をしたうえで、さらなる危険を承知で行く所。クルーが誰ひとり欠ける事なく、帰還することの計り知れない喜び。

 エドワーズ空軍基地は、チャック・イェイガーとベルX-1実験機よって、世界初の超音速飛行が達せられた場所です。そのほかに、実験機のコードである「X」ナンバーの機体が何機もここの滑走路を飛び立ち、数々のブレイクスルーを成し遂げ、同時に何人ものテストパイロットの生命が奪われました。飛行、そして宇宙への道は、人命さえもリソースとして消費しながら進む知の戦いです。

 スペースシャトルもまた、そういったチャレンジの到達点です。

 エドワーズ空軍基地からだと、シャトルをケープカナベラル基地までフェリーする必要があるため、そのコストを節約するためにぎりぎりまで気象状況の好転が待たれました。
 しかし、結果論ですが、現代航空宇宙テクノロジーの故郷と言って良いエドワーズ空軍基地に着陸したことは、われわれが何のために宇宙を目指すかを、もう一度思い出す縁(よすが)になったのではないでしょうか。

 シャトルをフェリーする機体は、SCAと呼ばれる改造されたボーイング747旅客機です。シャトルの機体を背負って飛びます。
 SCAはNASA905とNASA911の2機です。905はアメリカン航空の747-100の中古機を大改造したもの、911はJALの747-SRの中古機を改造したもの。747-SRは、JAL国内線専用の特別仕様で、国内線特有の頻繁な離着陸に耐える強化された降着装置と、当時(8,90年代)世界最高だったJALの整備品質が導入の決め手でした。

 整備品質について、過去形で書かなければならない事は、哀しいです。

 今回、暗闇の中から、力強い着陸を見せたディスカバリーの白い機体を見て、我々は、宇宙へ行かなければならないと強く思いました。我々は行く手段を持っている。スペースシャトルの桁外れの運搬能力は、STS-114でもその力を見せつけました。シャトルが今回限りでも、それ以上のものを開発しなければならない。時間がかかるなら大活躍中のソユーズ、タイタン、アリアン、H2A、プロパガンダなミッションばかりの中国の長征さえも総動員して、宇宙への道を継ぎ続ける。多国籍集団でやっても、それぞれの国への敬意と、成し得た事に対する賞賛は変わらない。
 それはモータースポーツを見ればわかります。

 あるべき未来は、考えるものではなく、実は忘れているだけ。
 我々は、ついに、空を見上げる事のできる場所に帰って来ました。
 
| Science/Technology | 16:10 | comments(0) | - | pookmark |
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